23歳独身女性秘書の出会いアプリ日記

「泣きそうな顔をしているね。泣かないで」

彼にそういわれた瞬間、恋に落ちた。
彼を知ったのは、出会いアプリだ。PCでもスマホからでもできる、出会いアプリ。
その出会いアプリに登録したのは、大好きだった彼氏と別れたから。
そこで彼を知った。
四往復以内のメールのやり取りで会うことが決まり、すぐに会った。

その日は普通に喫茶店で話し、公園を散歩して解散した。
次に会う約束もした。

彼はお兄さんが経営しているバーの店員をしている。そのお店も教えてもらい、
私は彼とデートした翌日、店にも顔をだした。

理由は寂しかったからだ。
別れた彼氏が恋しくて、でも、どうにもできなくて、このままじゃあ押しつぶされてしまいそうで。
もう死んでしまいたかった。

そんな暗い気分でバーにいくと、そこはクラブみたいな賑やかなバーだった。

そこで彼にいわれた言葉が、あれだ。
泣かないで。
彼は自分が泣きそうな顔をして、辛そうに、そう言った。

泣きたいのに、泣けないでいる私を慰めようとしていると思った。
誰も気付いてくれなかった。
でも、彼は気付いてくれた。

そして私はやっと、泣くことができた。

バーに一人できて、泣く女なんてマジ重いし暗い。

でも、そのとき彼は私の頭をポンポンとしてくれた。

手を差し伸べてくれたことが嬉しかった。

本当は死ぬつもりだった。
大好きな、すべての愛を捧げた男がいて。これ以上は無理というほど愛して、
何もかも周りが見えなくなってのめり込んで、人生で初めて人を愛した。愛することを学んだ。
それがなくなって、本当に悲しくて、心が空虚になって。

でも、私は新しい恋を見つけた。
だからまだ生きようと思った。

彼は知らないでしょう。自分が一人の女の命を救ったことなんて。